平成13年5月2日
                          原子力安全対策課
                          ( 13− 9 )
                          <14時資料配付>
 
 
      美浜発電所1号機の第18回定期検査開始について
 
 
 このことについて、関西電力株式会社から下記のとおり連絡を受けた。
 
 
                 記
 
 
 美浜発電所1号機(加圧水型軽水炉;定格出力34.0万kW)は、平成13年5月4日から約4カ月の予定で第18回定期検査を実施する。
 定期検査を実施する主な設備は次のとおりである。
 
  (1) 原子炉本体
  (2) 原子炉冷却系統設備
  (3) 計測制御系統設備
  (4) 燃料設備
  (5) 放射線管理設備
  (6) 廃棄設備
  (7) 原子炉格納施設
  (8) 非常用予備発電装置
  (9) 蒸気タ−ビンおよび蒸気タ−ビン附属設備
 
 美浜1号機の今定期検査の開始時期については、4月25日から調整運転を行っている美浜2号機と同一中央制御室内での作業重複を避けるため、経済産業省の承認を得て電気事業法に基づく定期検査時期変更を行っており、前回定期検査終了(H12.3.22)から今回定期検査開始までの期間は409日間(13ヶ月と13日間)となっている。
 
* 電気事業法および電気事業法施行令(経済産業省令)において、発電用原子炉および付属設備は、定期検査が終了した日以降13ヶ月を超えない時期に定期検査を受けるものとしているが、同法および同省令において経済産業大臣が検査を受けるべき時期を定めて承認した場合、この限りでないとしている。
1.主要工事等
 
 (1) 原子炉容器上部ふた取替工事     (添付1、図−1図−2参照)
海外における上部ふた管台部での損傷事例等に鑑み、将来的な健全性維持を図るという予防保全の観点から、既設の原子炉容器上部ふたを、管台部の材質等を変更した新しい原子炉容器上部ふたに取替える。
なお、平成11年1月29日に発生した大飯2号機での制御棒落下事象を反映し、新上部ふたには、腐食防止のため、工場にてあらかじめ保護被膜を形成させたラッチアセンブリを使用する。
 
 (2) 中央制御盤取替工事               (図−3参照)
    操作部分と監視部分が分離している中央制御盤について、監視性・操作性および保守性向上の観点より、監視部分と操作部分を一体化する。
 
 (3) 原子炉容器照射試験片取出工事          
    中性子照射による原子炉容器の材料特性変化を定期的に把握するた   め、原子炉容器内部に設置している照射試験片を計画的に取り出す。
 
2.燃料取替計画
 
 燃料集合体全数121体のうち、41体(うち32体は新燃料集合体で新燃料は全て高燃焼度燃料)を取り替える予定である。
 
3.運転再開予定
 
    原子炉起動・臨界       : 平成13年7月下旬
    発電再開(調整運転開始)   : 平成13年8月上旬
    定期検査終了(営業運転再開): 平成13年8月下旬
 
 
                
 
                             (添付1)
 
美浜発電所1号機原子炉容器上部ふた取替工事の概要
 
1.概 要
 
  美浜発電所1号機は、平成13年5月4日から開始する第18回定期検査において、原子炉容器上部ふた取替工事を実施する。
  平成13年5月中旬から下旬にかけて新上部ふたの原子炉格納容器内への搬入、6月中旬に旧上部ふたの搬出を行う予定である。
 
2.原子炉容器上部ふた取替工事の工程(図−1参照)
 
  取替工事の開始(定期検査開始)    :平成13年5月4日
  取替工事の終了(原子炉容器組立完了) :平成13年7月中旬予定
 
 
3.原子炉容器上部ふたの技術的改善点(図−2参照)
 
  取替用上部ふたは主要寸法等、基本的に同一仕様であるが、現在使用し ていない出力分布調整用制御棒クラスタ駆動装置は設けず、また管台の材 料を改良し耐腐食性の向上を図る。
  主な改善点は以下のとおりである。
   項  目    改 善 点   理  由
管台の材料     
          
インコネル600からインコネル690
に変更
耐腐食性向上
 
キャノピーシール 廃止 信頼性向上
フランジと鏡板の取合部
 
一体化による溶接部の
廃止
信頼性向上
 
予備管台 形状変更 信頼性向上
管台溶接部 溶接開先形状変更 溶接残留応力低減
出力分布調整用制御棒
クラスタ駆動装置
不要な管台の撤去
 
信頼性向上
 
 
 
4.旧原子炉上部ふたの保管
 
  旧原子炉容器上部ふたは、保管容器内に収納した状態で、蒸気発生器保管庫に保管する。
 
5.廃棄物の発生量
 
  原子炉容器上部ふたの取替工事に伴い発生する放射性廃棄物の量は、旧原子炉容器上部ふたおよび制御棒駆動軸等、ドラム缶に換算して約660本と推定される。
  これらの廃棄物は、減容に努め、既設の廃棄物保管庫および蒸気発生器保管庫内に保管する。
 
 
(参考)
 
         原子炉容器上部ふた取替工事計画経緯

関西電力鰍ヘ、県および美浜町に
原子炉容器上部ふた取替計画を申し入れ(事前了解願い)

H8.5.27
 

県および美浜町は、原子炉容器上部ふた取替計画に
かかる原子炉設置変更許可申請を行うことを了承

H8.7.29
 

関西電力鰍ヘ通商産業省(当時)に原子炉設置変更許可を
申請

H8.7.29
 

通商産業省(当時)は、関西電力鰍ノ原子炉設置変更許可

H9.3.18

県および美浜町は、原子炉容器上部ふた取替計画に
ついて、安全協定に基づく事前了解
 

H9.4.11