敦賀発電所3,4号機の増設に係る原子炉設置変更許可申請書の一部補正について[H21.10.16]
敦賀発電所3、4号計画に対する知事意見書および要望書[H14.6.13]
・敦賀発電所3、4号計画に対する知事意見書および要望書の提出について(記者発表文)
・敦賀発電所3、4号計画に対する知事意見書
・敦賀発電所3、4号計画に対する要望書
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敦賀発電所3、4号機の安全性の確認について(概要版)
(下記にもHTMLで記載しております)
敦賀発電所3、4号機の安全性の確認について
・表紙・目次 ( 40KB
PDF版)
・本文1(1-28p はじめに、1章、2章) (1,197KB PDF版)
・本文2(29-40p 3章1) ( 558KB PDF版)
・本文3(41-62p 3章2) ( 755KB PDF版)
・本文4(63-86p 4章、おわりに) ( 969KB PDF版)
・添付資料1(87-104p) (1,015KB PDF版)
・添付資料2(事故に対する対応方針)[105-116p] ( 956KB PDF版)
・添付資料3(SG図面集)[117-126p] ( 388KB PDF版)
・添付資料4(実証試験)[127-139p] ( 704KB PDF版)
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県内加圧水型軽水炉の事故・故障等の調査
・表紙・目次・本文(1-12p) (1,119KB PDF版)
・本文1(13-38p) (1,233KB PDF版)
・本文2(39-62p) (1,181KB PDF版)
・本文3(63-83p) ( 553KB PDF版)
敦賀発電所3、4号機の安全性の確認について(概要版)
原子力安全対策課
はじめに
1)経緯
平成12年2月、日本原子力発電株式会社から福井県および敦賀市に対し、安全協定に基づき、敦賀発電所3、4号機の増設計画に係る事前了解願いが提出された。
県は、今回の増設計画について議論を進めるため、平成12年9月、「福井県内の原子力発電所における安全対策・地域振興等の状況と課題の評価」と「軽水炉にかかるこれまでの事故等の評価」をとりまとめ公表するとともに、10月には国や事業者に対して、これらの課題の解決に向けた取組みを強く要請した。
これらの結果も踏まえ、敦賀発電所3、4号機そのものの安全性を確認するため、県技術顧問の助言を得ながら、3、4号機の設計上の特徴を中心に計画の詳細と設計方針などについて日本原子力発電株式会社から説明を求めた。
さらに、既設発電所の事故・故障等の経験が3、4号機の設計に適切に反映されているかどうかを確認するため、県内の加圧水型軽水炉における事故・故障等の調査も行った。
今回、これまでの調査検討の結果を「敦賀発電所3、4号機の安全性の確認」としてとりまとめた。
2)調査検討の考え方
敦賀発電所3、4号機は、軽水炉の第3次改良標準化計画の成果を基に、その後の技術進歩や国内外の運転保守経験等を取り入れて開発された最新の加圧水型軽水炉で、これまでの軽水炉開発の延長線上にあり、その基本構造は既設の加圧水型軽水炉と同じであると考える。
このことを踏まえ、既設の加圧水型軽水炉と比べ設計上の特徴である機器の大型化や設計の改良点などについて、その安全性を調査検討した。
敦賀発電所3、4号機は、法律に基づく国の安全審査が実施される前の段階にある発電所であることから、現時点では、3,4号機の基本設計方針の安全性について調査検討を行った。
1 敦賀発電所3、4号機の特徴
1)軽水炉の改良標準化
3、4号機は、軽水炉の第3次改良標準化計画を基に、その後の技術の進歩等を取り入れて開発されたもので、これまでの軽水炉開発の延長線上にある。
2)第3次改良標準化プラントとの比較3、4号機の基本構造は、最新の4ループの加圧水型軽水炉と同じである。3、4号機の電気出力(約154万kW)は、第3次改良標準化プラントの設計検討(約135万kW)から増加しているが、その経緯を調査したところ、最新の加圧水型軽水炉と同じ炉心構造を採用しており、技術的に無理なく出力増加が図られている。3)大型の加圧水型軽水炉の開発実績電気出力118万kW(大飯3、4号機)超える大型加圧水型軽水炉の開発実績を調査したところ、各国のエネルギー事情により大型化開発の進捗は異なるが、フランスでは150万kW級の加圧水型軽水炉が2000年から運転開始している。4)大型の加圧水型軽水炉のトラブル大型の加圧水型軽水炉のトラブルについてINES(国際原子力事象評価尺度)の報告資料により確認したところ、大型化に直接起因したトラブルは発生していない。5)海外加圧水型軽水炉との比較炉心設計に違いはあるが、基本設計の特徴としては共通点が多い。
2 既設発電所の事故・故障等の反映
1)国内外の事故・故障等の反映国内外の事故・故障等のうち安全上重要なものについては、設計に適切に反映する方針となっている。2)県内加圧水型軽水炉の事故・故障等の反映県内にある加圧水型軽水炉12基の事故・故障等の調査結果を基に、その反映状況を確認したところ、既設発電所への設備対応に加え、今後も必要に応じ追加対応していく方針である。
3 安全性向上のための改良
1)炉内構造物構造の簡素化により健全性と信頼性が向上するとともに、原子炉容器の中性子照射量が低減される。
2)蒸気発生器
伝熱管は従来より細径化(約
19mm)する方針であるが、強度は従来と同様に確保されており、この伝熱管サイズは世界でも採用実績がある。小型気水分離器と1段湿分分離器の組合せは世界でも採用実績があり、適切に実証試験が行われている。3)中央制御盤大型表示盤やタッチスクリーン操作等を採用した制御盤や計測制御系の全デジタル化は近年の主流であり、原子力を含め他の産業でも採用実績がある。
制御盤の開発にあたっては、運転員による検証を行うなど適切に実証が行われている。
4)1次冷却材管
低合金鋼の採用により1次冷却材本管の溶接線数が減少する。
ドイツでは初号機から低合金鋼を採用しており、30年以上の運転実績がある。
5)非常用炉心冷却設備(ECCS)
高性能蓄圧タンクの採用に際し、原理の確認から実動作の確認に至るまで順を追って実証試験が行われている。
高性能蓄圧タンク採用や高圧注入系の多重化により、安全システムの簡素化、多重化、独立性が高まり、設備の信頼性が向上する。
最新の4ループ加圧水型軽水炉の確率論的安全評価(PSA)の結果から類推すると、炉心損傷の確率は低くなると推察される。
既設プラントで行われているアクシデントマネージメントに加え、新たな対策を検討し、設計に取り入れる方針となっている。
6)ホウ酸注入系
非常用炉心冷却系(ECCS)とは別にホウ酸注入系を設置し、主蒸気管破断事故時に炉心を早期に未臨界とする設計方針となっている。
4 大型化に対する実証性・安全性
1)炉心および炉内構造物炉内構造物の流動振動、中性子反射体の冷却性能、ブロック間の隙間流れなどを確認するための実証試験が行われている。
2)1次冷却材ポンプ
水力特性やポンプ効率などを確認するための実証試験が行われている。3)蒸気発生器湿分分離性能やU字管群の減衰定数を確認するための実証試験が行わ れている。4)タービン海外の原子力発電所では54インチを超えるタービン翼の採用実績がある。
タービン翼の振動特性などを確認するための実証試験が行われている。
5)発電機発電機コイルの振動特性などを確認するための実証試験が行われている。6)燃料設計燃料の高燃焼度化に対して、従来燃料と同等の安全余裕を確保する設計方針となっている。7)炉心設計
炉心の大型化に対して、従来の炉心と同等の安全余裕を確保する設計方針となっている。
8)原子炉格納施設原子炉格納容器に加え、主蒸気隔離弁の閉止能力向上やアニュラス空気浄化設備のフィルタ循環率を増加させることにより、万一の事故時の放射能による周辺環境への影響を極力抑制する設計方針となっている。
まとめ
○ 今回、敦賀3、4号機の安全性を調査検討した結果、日本原子力発電株式会社においては
@ 既設発電所における運転経験や最新知見等を適切に基本設計に反映するとともに、設計改良を行った設備については、実証試験や解析を行うことにより健全性や信頼性の向上に努めている
A 出力増加による炉心の大型化に対して、最新の4ループ加圧水型軽水炉と同程度の安全余裕を持たせた設計とする方針である
また、機器の大型化に対しては、実証試験や解析を行うことにより健全性や信頼性の向上に努めている
B 非常用炉心冷却設備の信頼性向上やアクシデントマネージメントの積極的な導入を図ることなどにより、発電所の安全性をより一層向上させる設計とする方針である
ことを確認した。
○ これらのことから、敦賀3、4号機は、既設の加圧水型軽水炉と同等以上の安全性が確保される基本設計方針であることを確認した。
○ なお、敦賀3、4号機は、今後建設に着手する段階となれば、法律に基づき国による厳正な審査が行われ、発電所の基本設計と詳細設計について安全性が確認されることとなる。